平屋を建てたいと思ったとき、多くの方が最初に気になるのが「何坪くらい必要なのか」ということではないでしょうか。
インターネットで調べると、「夫婦2人なら20坪前後」「4人家族なら25〜30坪」といった目安を見かけることがあります。
もちろん、こうした数字は予算や土地を考えるうえで参考になります。
ただ、私たちは平屋の大きさを考えるとき、最初から「30坪の家をつくろう」と決めることが必ずしも正解だとは考えていません。
同じ4人家族でも、休日は家族でリビングに集まって過ごすご家庭もあれば、それぞれが自分の時間を大切にしたいご家庭もあります。
料理が趣味の方もいれば、服やアウトドア用品をたくさん収納したい方もいるでしょう。
家族の人数が同じだからといって、必要な家の大きさまで同じになるわけではありません。
平屋は、坪数を決めてから暮らしを当てはめるのではなく、どんな暮らしをしたいのかを考え、その結果として必要な大きさを決めていく。
今回は、そんな平屋の考え方についてお話しします。
平屋を考えるときに「25坪にする」「30坪にする」と大きさを先に決めると、その数字の中に部屋を入れていく設計になりやすくなります。
LDKは20帖。
寝室は8帖。
子ども部屋は6帖を2部屋。
ファミリークローゼットは3帖。
このように必要そうな部屋を並べていくと、間取りはつくれます。
しかし、それが本当にその家族にとって暮らしやすい家なのかは別の話です。
例えば、リビングではほとんどソファに座らず、家族がダイニングテーブルに集まる暮らしなら、リビングを大きくするよりダイニングの居心地をよくした方がいいかもしれません。
反対に、映画を見たり、子どもと床に座って遊んだりする時間が多いなら、リビングにはしっかりと広さを取りたいでしょう。
必要なのは「一般的に何帖あるといいか」ではなく、「自分たちはそこで何をするのか」を考えることです。
私たちが大切にしているのは、間取りだけではなく、その家でどんな毎日を送るのかまで一緒に考えることです。
朝起きて、着替えて、朝食をつくり、食事をして、身支度をして家を出る。
帰宅したら、上着や鞄を置き、手を洗い、夕食の準備をする。
洗濯物を取り込み、服をしまい、家族で過ごしてから、それぞれの場所で眠る。
こうして実際の暮らしを順番に考えていくと、「部屋が何室必要か」だけでは見えてこなかったことが見えてきます。
帰宅してすぐに上着を片づけたいなら、玄関から収納までの距離が大切です。
洗濯物を室内で干すことが多いなら、洗う、干す、しまうという一連の動きを短くできる配置を考えます。
休日に家族で料理をするなら、キッチンは単なる作業スペースではなく、家族が集まる場所になります。
平屋の設計では、この一つひとつの暮らし方を拾い上げながら、必要な場所をつくっていきます。
家づくりでは、つい「LDK」「寝室」「子ども部屋」「書斎」といった部屋の名前から考えてしまいます。
でも、本当に必要なのは部屋ではなく、暮らしの中の居場所です。
仕事をする場所が必要だからといって、必ず独立した書斎が必要とは限りません。
ダイニングの一角にカウンターを設ければ十分かもしれませんし、寝室の一部を使う方法もあります。
子どもが宿題をする場所も、個室の学習机ではなく、キッチンから見える場所の方がその家族には合っているかもしれません。
本を読む場所、洗濯物を畳む場所、趣味を楽しむ場所。
それぞれに一部屋ずつつくっていけば、当然家は大きくなります。
一方で、一つの場所に複数の役割を持たせることができれば、面積を増やさなくても暮らしの豊かさをつくることはできます。
ここが、コンパクトな平屋を考えるうえでとても大切な部分です。
もう一つ大切なのが、間取りと家具を別々に考えないことです。
例えば「LDK18帖」と聞いても、それだけでは広いか狭いかは判断できません。
置きたいダイニングテーブルの大きさはどれくらいなのか。
ソファは2人掛けなのか、家族全員で座れる大きなものなのか。
テレビを見る距離はどれくらい必要なのか。
椅子を引いた後ろを人が通るのか。
収納家具を置くのか、それとも建築と一体で収納をつくるのか。
実際の家具を想定して配置すると、同じ18帖でも使いやすさは大きく変わります。
20帖のLDKをつくっても、窓や扉の位置によって家具を置ける壁が少なければ、思ったより使いにくくなることもあります。
反対に、家具の配置まで考えて設計された17帖のLDKの方が、動きやすく、広く感じられることもあります。
だからこそ、盛匠では家のデザインだけでなく、家具、収納、動線まで含めて暮らし全体を考える「暮らし方コーディネート」を大切にしています。
暮らし方を考える。
必要な居場所を考える。
家具を置いてみる。
家事や生活の動線をつなぐ。
必要な収納を配置する。
そうして一つずつ積み上げていくと、ようやくその家族に必要な平屋の大きさが見えてきます。
ここで初めて「この暮らしなら23坪くらい」「この家族なら27坪くらい」という数字が出てきます。
つまり、坪数を決めて暮らしを入れるのではなく、暮らしを考えた結果として坪数が決まるということです。
もちろん予算や土地の大きさには限りがあります。
理想をすべて足していけばいいという意味でもありません。
むしろ大切なのは、「自分たちにとって本当に必要なものは何か」を整理することです。
リビングを2帖広くすることと、その2帖を収納に使うこと。
独立した書斎をつくることと、LDKの一角に仕事ができる場所をつくること。
大きな子ども部屋をつくることと、家族で過ごす場所を充実させること。
どちらが正解ということではありません。
家族によって答えが違うからこそ、設計するときには「なぜこの広さにするのか」という理由が必要になります。
例えば盛匠のDesigners Compactには、夫婦ふたりで心地よく暮らす21坪の平屋という提案があります。
ただし、大切なのは「夫婦2人なら21坪あればいい」と考えることではありません。
同じ夫婦2人でも、趣味の道具が多い方、家で仕事をする方、料理を楽しみたい方、庭で過ごす時間を大切にしたい方では、必要な空間は変わります。
21坪という数字を見るのではなく、その中でどんな暮らしができるように考えられているのかを見る。
そして、自分たちなら何を残し、何を変えたいのかを考える。
それが、自分たちに合った平屋を見つける一つの方法です。
大きな家を建てることが目的ではありません。
小さく建てること自体が目的でもありません。
自分たちの暮らしに必要なものがきちんと入り、不要なものを無理に増やさない。
その結果として生まれる大きさが、その家族にとっての「ちょうどいい平屋」なのだと思います。
「平屋を建てたいけれど、何坪必要なのかわからない」
そんな段階でも、家づくりを始めることはできます。
むしろ、最初から坪数を決めてしまう前に、
どこで食事をしたいのか。
休日をどう過ごしたいのか。
家事をどんな順番でしたいのか。
何を収納したいのか。
家でどんな時間を大切にしたいのか。
そんな暮らしの話から考えてみることで、自分たちに必要な家の姿が少しずつ見えてきます。
盛匠では、家族のかたちや暮らし方から住まいを考える「Designers Compact」という住まいもご提案しています。
「自分たちなら、どれくらいの大きさがちょうどいいのだろう」
そう感じた方は、まずは実際のプランを見ながら、自分たちの暮らしと照らし合わせてみてください。
https://seisyo-co.com/news/6652/
大工としてひたむきに走り続けていた26歳のある日、お客様の娘様から頂いた現場での一言、 「良い家を作ってくれてありがとう」その言葉に建築への想いが膨らんでいく気持ちに気づいた私は、 「家づくりの最初から最後まで、じっくりをお客様と対話して、一生のお付き合いがしたい」と感じ、SEISYOを立ち上げました。
大工としてひたむきに走り続けていた26歳のある日、お客様の娘様から頂いた現場での一言、 「良い家を作ってくれてありがとう」その言葉に建築への想いが膨らんでいく気持ちに気づいた私は、 「家づくりの最初から最後まで、じっくりをお客様と対話して、一生のお付き合いがしたい」と感じ、SEISYOを立ち上げました。