新築の家づくりでは、間取りや外観だけでなく、床や壁、建具、キッチン、照明など、たくさんのものを決めていきます。
好きな施工事例を見つけたり、SNSでおしゃれなインテリアを保存したりする時間は、家づくりの楽しみの一つです。
しかし、一つひとつ気に入ったものを選んだはずなのに、完成してみると「思っていた雰囲気と違う」「家具を置いたら部屋が狭くなった」と感じることがあります。
新築のインテリアコーディネートで大切なのは、流行のデザインを集めることではありません。
その家でどのように過ごしたいのかを考え、理想の暮らしから内装や家具を決めていくことです。
今回は、見た目の美しさと暮らしやすさを両立するために、家づくりの前に考えておきたいことをお伝えします。
新築の打ち合わせでは、床の色、壁紙、建具、キッチンなどを順番に選ぶことがあります。
ここで最初に考えたいのは、具体的な商品や色ではなく、家全体の方向性です。
「明るく開放的な家にしたい」「木の温かみを感じたい」「ホテルのように落ち着いた空間にしたい」など、住まいに求める印象を言葉にしてみましょう。
さらに、その雰囲気が好きな理由まで考えることが大切です。
例えば、ホテルライクな空間が好きな理由が「生活感を抑えて、静かに過ごしたいから」であれば、内装の色だけでなく、収納の位置や照明の明るさも重要になります。
好きなテイストだけでなく、そこでどのように過ごしたいのかまで整理することで、インテリア選びの基準が見えてきます。
写真で見たときに美しい家と、毎日を心地よく過ごせる家は、必ずしも同じではありません。
見た目だけを基準にすると、実際に暮らし始めてから使いにくさを感じることがあります。
家族が長い時間を過ごす場所は、家庭によって異なります。
リビングのソファに集まる家族もいれば、ダイニングテーブルで会話や勉強をする家族もいます。
キッチンに立ちながら家族と話したい場合は、リビングやダイニングとのつながりが大切です。
一人で落ち着いて過ごす時間を大切にしたい場合は、家族の気配を感じながらも、少し距離を取れる場所があると過ごしやすくなります。
まずは、家族がどこで何をしている時間が多いのかを思い浮かべてみましょう。
平日の朝は、身支度や朝食、子どもの準備が重なるため、効率の良い動線が求められます。
一方、休日は料理を楽しんだり、庭で過ごしたり、家族で映画を見たりと、時間の使い方が変わります。
平日だけを基準にすると、機能的ではあっても、休日を楽しむ余白が少ない家になることがあります。
反対に、休日の理想だけを詰め込むと、毎日の家事や片付けが負担になるかもしれません。
平日と休日、両方の暮らしを想像しながら、間取りとインテリアを考えることが大切です。
写真だけでは、部屋の広さや素材の質感、光の入り方、家具を置いたときの距離感までは分かりません。
実際の住まいを見て歩くことで、自分たちが心地よいと感じる広さや空間のつながりに気づくこともあります。
新築の内装を決めるときは、床、壁、建具、キッチンを一つの空間として考えましょう。
一つずつ見ると気に入った色でも、すべてを組み合わせると、まとまりがなくなることがあります。
インテリアの色は、ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーに分けて考えると整えやすくなります。
床や壁など広い面積に使う色をベースにして、建具や家具で全体の印象をつくります。
アクセントカラーは、クッションや小物など、後から変更しやすい部分に取り入れると、暮らしの変化にも対応しやすくなります。
最初からたくさんの色を使うより、色数を絞った方が空間に統一感が生まれます。
同じ茶色でも、赤みのある木、黄色みのある木、グレーに近い木では印象が異なります。
床、建具、ダイニングテーブル、テレビボードの木目がそれぞれ違うと、色数が少なくても雑然として見えることがあります。
色だけでなく、木目の向きや濃さ、表面の質感にも注目しましょう。
すべてを同じ素材にする必要はありませんが、共通する色や質感を一つ持たせると、異なる素材も自然になじみます。
家具は、家が完成してから選ぶものと思われることがあります。
しかし、本当に使いやすい間取りをつくるためには、設計の段階から家具の大きさと配置を考えておく必要があります。
同じ帖数のリビングでも、部屋の形や窓の位置によって、置ける家具は変わります。
大きなソファを置きたい場合は、ソファそのものの寸法だけでなく、周囲を歩くためのスペースも必要です。
ダイニングテーブルも、椅子を引くための幅が足りないと、毎日の移動が窮屈になります。
間取り図を見るときは、家具の形だけではなく、実際の寸法を入れて確認しましょう。
家具の配置が決まると、人が通る場所や家電を置く場所も見えてきます。
コンセントを先に決めてしまうと、家具の後ろに隠れたり、必要な場所までコードが届かなかったりすることがあります。
掃除機の充電場所やスマートフォンを置く場所、季節家電を使う場所まで考えておくと、暮らし始めてから延長コードを増やさずに済みます。
家具、通路、コンセントは、別々ではなく一つの計画として考えましょう。
照明とカーテンは、家の完成が近づいてから選ぶことも多い部分です。
しかし、どちらも部屋の印象と過ごしやすさを大きく左右します。
リビング全体を均一に明るくするだけでは、落ち着いた雰囲気をつくりにくい場合があります。
家族で過ごす時間、テレビを見る時間、本を読む時間では、心地よいと感じる明るさが異なります。
天井の照明だけでなく、壁を照らす光や手元を照らす光を組み合わせることで、時間帯に合わせて空間の表情を変えられます。
ダイニングのペンダント照明は、テーブルの位置と中心が合っているかも確認が必要です。
大きな窓をつくっても、外からの視線が気になり、一日中カーテンを閉めることになれば、開放感を十分に楽しめません。
窓の位置を決めるときは、光の入り方だけでなく、隣家や道路からの見え方も確認しましょう。
カーテン、ブラインド、ロールスクリーンでは、光の入り方や部屋の印象が変わります。
窓を選ぶ段階で、どのように視線と光を調整するのかまで考えておくことが大切です。
理想の家を考えるときは、部屋ごとではなく、一日の時間の流れを追ってみましょう。
起きてから家を出るまでに、家族がどこを通り、何を使うのかを書き出します。
洗面台が混み合う、着替えを取りに何度も移動する、キッチンと洗濯スペースを行き来するといった負担は、間取りや収納の位置によって減らせます。
帰宅後は、上着やかばん、買い物袋など、多くのものが家の中に入ってきます。
玄関の近くに置き場所がなければ、リビングやダイニングに荷物が集まりやすくなります。
帰宅してから手を洗い、着替え、食事をして入浴するまでの流れを考えることで、必要な収納や動線が見えてきます。
休日に何をして過ごしたいかも、家づくりの大切な基準です。
家族で料理を楽しみたいなら、キッチンの広さや作業台が必要です。
庭で食事をしたいなら、リビングと庭のつながりや、道具を収納する場所も考えたいところです。
趣味や会話を楽しむ時間まで思い描くことで、家は生活するための箱ではなく、家族の時間を育てる場所になります。
新築のコーディネートでは、好きなものを選ぶだけでなく、全体のバランスを見ることが欠かせません。
特に注意したいのは、好きな施工事例の要素を一つの家に集めすぎることです。
施工事例ごとに床や建具、天井の高さ、窓から入る光が異なるため、気に入った部分だけを組み合わせても、同じ印象になるとは限りません。
また、家具を完成後に選ぶと、部屋の広さに合わないことがあります。
見た目をすっきりさせるために収納を減らした結果、日用品が外に出てしまうケースもあります。
大切なのは、何を採用するかだけでなく、なぜそれが必要なのかを考えることです。
家づくりで最初に決めるべきなのは、床の色でも、キッチンの形でもありません。
どんな朝を迎えたいのか。
家族とどこで会話をしたいのか。
休日には何を楽しみたいのか。
理想の暮らしが見えてくると、必要な間取りや収納、家具、照明も少しずつ明確になります。
新築のインテリアコーディネートは、部屋をおしゃれに飾るためだけのものではありません。
ご家族様が心地よく過ごせる時間を整えることも、暮らし方のコーディネートです。
まだ具体的な間取りやデザインが決まっていなくても、実際の空間を見ることで、自分たちに合う広さや素材、暮らし方に気づくことがあります。
大工としてひたむきに走り続けていた26歳のある日、お客様の娘様から頂いた現場での一言、 「良い家を作ってくれてありがとう」その言葉に建築への想いが膨らんでいく気持ちに気づいた私は、 「家づくりの最初から最後まで、じっくりをお客様と対話して、一生のお付き合いがしたい」と感じ、SEISYOを立ち上げました。
大工としてひたむきに走り続けていた26歳のある日、お客様の娘様から頂いた現場での一言、 「良い家を作ってくれてありがとう」その言葉に建築への想いが膨らんでいく気持ちに気づいた私は、 「家づくりの最初から最後まで、じっくりをお客様と対話して、一生のお付き合いがしたい」と感じ、SEISYOを立ち上げました。