およそ5年前までは民間の金融機関から融資を受ける場合、返済年数は最長35年でした。今までは50年の返済年数を選択できる金融機関は住宅金融支援機構のフラットを利用する方だけでしたが、現在では、民間の金融機関も同様に50年の返済年数を選択できるようになりました。しかし、50年という返済年数は、お借入をする年齢によって、完済時年齢が80歳近くになる方もいます。80歳といえば、すでに定年退職をされ、現在のようにお仕事をやっているわけではありません。では繰上返済を視野に入れて住宅ローンを利用した方がよいのか?今回の記事では、繰上返済の考え方についてお伝えします。
繰上返済とは、住宅ローンの融資額(元金)を利息がついた毎月の返済以外に元金のみ先に支払う返済方法になります。例えば、毎月9万円の返済で住宅ローンを返済しているとします。これは完済するまで続くことになります。お借入をされた年齢が35歳、返済年数は35年を選択した場合、繰上返済をせずに支払い続けますと、完済時年齢は70歳になります。しかし、定年(仮に65歳とします)から70歳まで収入が無い(もしくは少なくなっている)状態で毎月9万円を支払い続けることは生活に負担をかけてしまいます。なので、この期間を短縮して定年時、もしくはもっと早い段階で住宅ローンを完済するための方法として「繰上返済」という方法があります。
繰上返済を早くするほどお得なのか?といえば、早いほど金利を支払う必要がないため、金銭的にはお得になると言えます。しかし、お子様がまだ小さいうちに新築をお建てになられた方にとっては、これから食費や消耗品を購入する費用、学費や習い事の費用など、生活費が大きく必要になる時期です。その間にあまり無理をして繰上返済をすることはあまりお勧めしません。お金の面で住宅ローンに関連する支出を大きくしすぎてしまうと生活に負担を生じてしまうため、ストレスが少なくなるように計画した方が良いと考えます。
先ほどお伝えしました「お子様がまだ小さいうちに新築をお建てになられた場合」、お子様が大学を卒業されてからの方が良いと思います。その理由は、それまでお子様への支出が増大するからです。単純に高校・大学の学費を積み立てる計画が必要であることも言えますが、それだけでなく、予備校や習い事、育ち盛りの食費、お小遣い、スマホの利用料など、毎月支出があります。
しかし、お子様が大学を卒業された後はどうでしょうか?一般的には大学卒業後、一人暮らしで勤め先の社宅、もしくはワンルームを賃貸する傾向があります。自宅から通う場合でも、食費などの生活費を入れてくれるケースも多く、スマホの利用料などの支出もお子様ご自身で支払うことが多いようです。ということは大学卒業して社会人としてお勤めになるタイミングで毎月の支出は大きく減額し、貯蓄できるタイミングであると言えます。
仮に30歳で融資を受けたとします。返済年数50年を選択した場合、完済時年齢は80歳になります(完済時年齢は最高で80歳の金融機関が多いです)定年を65歳としますと、完済時年齢までに無収入の時期が15年あります。無収入で返済を続けることはできません。なので住宅ローンの申込の時に、この15年をどのようにして短縮するのかを考えておく必要があります。
では、35年返済を選択しておけば、完済時年齢は65歳になるのであって、最初からそのようにしておけばよかったのか?と言いますと一概にそうではありません。
理想のマイホームを計画すると35年返済では支払いが苦しくなると判断したのであれば、50年返済を選択するメリットはあります。先ほどお伝えしましたように、新築後10年程度はお子様に支出が嵩む時期です。その期間、新築したことが原因でお子様のやりたいことをやらせてあげられないということになってしまったら本末転倒ではないでしょうか?
家族に負担をかけすぎずに、安心してマイホーム生活を継続するためなのであれば、50年返済を選択することは間違いではないと言えます。
だからと言って、80歳で完済する予定をとってはいけません。住宅ローンの返済は、
・退職金を使わない
・定年時までに完済する
この2点をできるだけ実現したいですよね?
そのために繰上返済の計画を融資申込時に計画し、いつ、どのタイミングから繰上返済用の積み立てをスタートして、いくら元金を返済することで定年時完済を実現できるのかを知った上で住宅ローンを契約する、これが大切なことです。
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大工としてひたむきに走り続けていた26歳のある日、お客様の娘様から頂いた現場での一言、 「良い家を作ってくれてありがとう」その言葉に建築への想いが膨らんでいく気持ちに気づいた私は、 「家づくりの最初から最後まで、じっくりをお客様と対話して、一生のお付き合いがしたい」と感じ、SEISYOを立ち上げました。
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