注文住宅の間取りを考えるとき、「LDKは18帖ほしい」「寝室は6帖あれば十分」など、部屋の広さから決める方は多いのではないでしょうか。
しかし、実際の暮らしやすさを左右するのは、何も置かれていない部屋の広さではありません。ソファやダイニングテーブル、テレビ、ベッドなどを置いたあとの空間です。
図面では広く見えていたのに、家具を置いたら通路が狭くなった。ダイニングチェアを引くと壁に当たる。テレビを置きたい場所には窓があり、希望していた配置ができなかった。
このような後悔は、間取りを決めたあとに家具の配置を考えることで起こります。
暮らしやすい注文住宅をつくるためには、部屋をつくってから家具を選ぶのではなく、置きたい家具と暮らし方から間取りを考えることが大切です。
この記事では、ソファやダイニングテーブル、テレビなどの家具配置をもとに、後悔しにくい間取りを考える方法を解説します。
間取り図に書かれている「18帖」や「6帖」という数字だけでは、その部屋が実際に使いやすいかどうかまでは判断できません。
同じ広さの部屋でも、形や窓の位置、建具の開き方によって、置ける家具や確保できる通路は大きく変わります。
間取りを見るときは、何もない状態ではなく、家具を置いて家族が生活している状態を想像する必要があります。
LDKが18帖あれば、一般的には十分な広さがあるように感じます。
しかし、縦長の18帖と正方形に近い18帖では、家具の配置方法が異なります。
キッチンの形が壁付けなのか、対面式なのか、アイランド型なのかによっても、リビングとダイニングに使える面積は変わります。
また、18帖という表記には、キッチン部分や人が通るだけの通路も含まれています。
部屋全体は広くても、窓や建具が多く、家具を置ける壁が少なければ、大きなソファやテレビボードを置けない場合があります。
大切なのは帖数の大きさではなく、希望する家具を置いたあとに、どのくらいの余白が残るかです。
間取り図には、ソファやテーブル、ベッドなどが描かれていることがあります。
ただし、図面上の家具が、実際に購入する家具と同じ大きさとは限りません。
コンパクトなソファを置いた図面では広く見えていても、希望する3人掛けソファを実寸で配置すると、通路が狭くなる可能性があります。
ダイニングテーブルも、テーブル本体だけではなく、椅子を後ろへ引く空間が必要です。
家具を置けるかどうかだけでなく、座る、立つ、通る、扉を開けるといった動作まで確認しましょう。
家具配置に関する後悔は、家具選びだけが原因ではありません。
窓や建具、コンセント、照明を別々に決めた結果、希望していた家具配置ができなくなるケースもあります。
間取りを確定する前に、よくある後悔を知っておきましょう。
ソファは幅だけでなく、奥行きも大きな家具です。
特にカウチソファやL字型ソファは、想像以上に床面積を使います。
図面上では置けても、ソファの後ろや横に必要な通路を確保できず、リビング内を移動しにくくなることがあります。
ローテーブルやサイドテーブルも置く場合は、それらを含めた広さで確認することが必要です。
ダイニングテーブルの大きさだけを見て配置を決めると、椅子を引いたときに壁や家具へぶつかることがあります。
椅子を引いて人が座るためには、テーブルの端から壁まで一定の余白が必要です。
さらに、座っている人の後ろを家族が通る場合は、より広い通路を確保しなければなりません。
キッチンとダイニングの間は家族が頻繁に通るため、実際の動作を想定して確認しましょう。
大きな窓を多く設けると、明るく開放的な空間になります。
一方で、テレビやテレビボードを置ける壁が少なくなることがあります。
テレビを置けたとしても、窓からの光が画面に映り込み、昼間に見えにくくなる場合もあります。
テレビの位置を決めるときは、ソファとの距離だけでなく、窓の方向や日差しも確認することが大切です。
窓の前に背の高い家具を置くと、採光や風通しを妨げる可能性があります。
ソファの背もたれが窓にかかり、カーテンを開閉しにくくなることもあります。
家具の高さまで考えずに窓を決めると、住み始めてから家具の配置を変更しなければならない場合があります。
窓は大きさや位置だけでなく、床からの高さも確認しましょう。
家具の近くに開き戸や収納扉があると、扉と家具がぶつかることがあります。
図面上では家具を置けていても、扉を完全に開けられなければ、収納の中の物を出し入れしにくくなります。
引き戸の場合も、壁の前に家具を置けないタイプがあります。
家具の配置図には、建具や収納扉を開けた状態まで書き込むことが重要です。
コンセントの位置を家具配置より先に決めると、ソファやベッド、収納家具の後ろに隠れてしまうことがあります。
無理に使用すると、プラグやコードが圧迫される原因になります。
また、掃除機やスマートフォンの充電、季節家電を使う場所にコンセントがなく、延長コードが必要になるケースもあります。
コンセントは部屋ごとの個数だけでなく、何をどこで使うかを考えて決めましょう。
ダイニングのペンダントライトは、テーブルの中心に配置すると空間が整って見えます。
しかし、照明を先に決めてから家具を置くと、ライトとテーブルの位置がずれることがあります。
ダウンライトも、ソファに座ったときに真上から強い光が当たったり、テレビ画面へ光が映り込んだりする場合があります。
照明計画は、家具の配置が決まってから考えることが基本です。
家具をもとに間取りを考えるためには、まず新居で使う予定の家具を整理する必要があります。
現在使っている家具だけでなく、入居後に購入する家具や家電も含めてリストをつくりましょう。
現在使っているソファやダイニングテーブル、ベッド、タンス、本棚などを新居でも使う場合は、実際の寸法を測ります。
確認するのは、幅だけではありません。
幅、奥行き、高さの3つを測り、扉や引き出しを開けるために必要な空間も確認します。
ピアノや大型の収納家具など、簡単に買い替えられない物は、設計の初期段階から配置を決めておきましょう。
まだ商品が決まっていない場合も、希望する家具のおおよその大きさを決めておきます。
ソファであれば、2人掛け、3人掛け、カウチ付きなど、形によって必要な面積が異なります。
ダイニングテーブルも、4人用と6人用では幅が大きく変わります。
将来家族が増える可能性がある場合は、現在必要なサイズだけでなく、数年後に使いたいサイズも考えておきましょう。
間取りを考える際は、冷蔵庫や洗濯機などの家電も家具と同じように扱います。
特に冷蔵庫は、本体の大きさだけでなく、扉を開ける方向や放熱に必要な空間も確認が必要です。
ロボット掃除機を使う場合は、充電場所と本体が出入りするための経路を考えます。
空気清浄機や扇風機、ヒーターなどの季節家電を置く場所も、あらかじめ考えておくと室内が散らかりにくくなります。
家具の配置方法は、部屋の用途によって異なります。
家族が集まるLDKはもちろん、寝室や子ども部屋も、家具を置いたあとの動作や将来の使い方まで考えることが大切です。
リビングでは、最初にソファとテレビの位置を決めましょう。
テレビを見る時間が長い家庭では、画面の見やすさやソファとの距離を重視します。
会話や庭とのつながりを大切にする場合は、ソファをテレビだけに向けず、家族が向かい合える配置も考えられます。
掃き出し窓の前を通路にする場合は、ソファやローテーブルが庭への移動を妨げないようにします。
リビングでどのように過ごしたいかによって、適した家具配置は変わります。
ダイニングは、テーブルと椅子を置いた状態だけでなく、椅子を引き、人が座った状態で確認します。
キッチンから料理を運ぶ動線や、食事中の人の後ろを通る動線も重要です。
通路が狭いと、配膳や片付けのたびに家族同士がぶつかる可能性があります。
ペンダントライトを設置する場合は、テーブルを将来移動する可能性があるかも考えておきましょう。
キッチンでは、調理台や収納だけでなく、冷蔵庫やゴミ箱、家電を置く位置も重要です。
冷蔵庫の扉を開けたときに、キッチンを使っている人の動きを妨げないか確認しましょう。
電子レンジや炊飯器、電気ケトルなどを並べる場合は、必要なカップボードの幅とコンセント数を考えます。
ゴミ箱の置き場が決まっていないと、通路にゴミ箱が飛び出し、キッチンが狭く感じられることがあります。
寝室では、ベッドを置けるかどうかだけでなく、ベッドの周囲を移動できるか確認します。
夫婦で使用する場合は、左右のどちらからも出入りできる配置にするのか、片側を壁へ寄せるのかを決めます。
クローゼットの扉や引き出しを開ける空間も必要です。
ベッドの横でスマートフォンを充電する場合は、コンセントの高さや位置も考えておきましょう。
将来ベッドを2台に分ける可能性がある場合は、配置を変更できる広さとコンセントを確保しておくと使いやすくなります。
小さな子どもの部屋は、入居時にはベッドや学習机を置かず、遊び場として使用することもあります。
しかし、成長するとベッド、机、本棚、収納が必要になります。
幼少期の使い方だけで間取りを決めると、成長後に家具を置けない可能性があります。
ベッドと机を置いた状態でも、収納扉や窓を使えるか確認しましょう。
コンセントは、学習机やパソコン、スマートフォンなどを使う位置に合わせて計画します。
家具配置を具体的に考えると、窓や建具、コンセント、照明の適切な位置も見えてきます。
それぞれを別々に決めるのではなく、家具を置いた一つの空間として考えましょう。
窓を多く設けると明るさを確保できますが、家具を置ける壁は少なくなります。
大きな窓だけでなく、高い位置に設ける窓や細長い窓を選ぶことで、採光を確保しながら壁面を家具に使える場合があります。
テレビへの日差しの映り込みや、カーテンと家具の干渉も確認が必要です。
窓の数を増やすことだけを目的にせず、家具配置と外からの視線を含めて考えましょう。
開き戸は、扉が動く範囲に家具を置けません。
収納扉や冷蔵庫の扉も含めて、開閉する範囲を図面に書き込むと、家具との干渉を確認しやすくなります。
引き戸は開閉時に場所を取りにくい一方で、戸を引き込む壁の前にスイッチや家具を配置できないことがあります。
建具の種類と家具配置は、同時に考えることが大切です。
コンセントは、多ければ使いやすいとは限りません。
必要な場所に、必要な高さで設けることが重要です。
テレビボードの周辺では、テレビや録画機器、ゲーム機、インターネット機器など、複数の電源が必要になります。
ソファの近くでは、スマートフォンやタブレットを充電する機会があります。
ベッド脇やダイニング、作業用カウンターなど、家族が電化製品を使う場面を具体的に想像しましょう。
ダイニングの照明は、テーブルの位置を基準に決めます。
リビングでは、テレビを見る、読書をする、家族で会話をするといった過ごし方に合わせて、必要な場所へ光を配置します。
部屋全体を均等に明るくするだけでなく、必要な場所を照らすことで、落ち着きのある空間をつくれます。
家具の配置変更が考えられる場合は、照明の位置を調整できるダクトレールなども選択肢になります。
家具には、建物に合わせてつくる造作家具と、家具店などで購入する置き家具があります。
どちらか一方に統一する必要はありません。
固定したい場所と、将来変更したい場所を分けて考えることが大切です。
テレビボードや壁面収納、カウンター、本棚などは、造作家具にすると空間へ合わせやすくなります。
壁から壁まで隙間なく設置できるため、室内をすっきり見せられます。
床や建具と素材を合わせることで、家具だけが浮いて見えることも防げます。
ただし、簡単に移動や交換ができないため、将来の使い方まで考えて設置しましょう。
ソファやダイニングテーブル、ベッドなどは、家族構成や好みによって買い替える可能性があります。
置き家具であれば、模様替えや移動がしやすく、暮らしの変化にも対応できます。
造作家具と置き家具を選ぶ際は、おしゃれさだけでなく、将来動かす可能性があるかどうかを基準に考えましょう。
家を建てたときの暮らしが、そのまま何十年も続くとは限りません。
子どもの成長や独立、働き方の変化などによって、必要な家具や部屋の使い方は変わります。
現在の家具がぴったり収まるだけでなく、将来配置を変えられる余白も必要です。
子どもが成長すると、学習机や本棚、収納が増えます。
子どもが独立したあとは、子ども部屋を趣味の部屋や仕事部屋として使うことも考えられます。
在宅ワークを始めたり、家族と同居したりする可能性もあります。
今の生活だけでなく、10年後にどのような暮らしをしているかを考えてみましょう。
家具を隙間なく置くと、入居直後は整って見えても、模様替えが難しくなります。
ソファの向きを変える、ダイニングテーブルを大きくする、ベッドを2台に分けるといった変更ができる余白を残しておきましょう。
コンセントや照明を一つの配置に限定しすぎないことも、将来の使いやすさにつながります。
間取りを確定する前に、次の項目を確認しましょう。
一つずつ図面上で確認すると、家具を置いたあとの暮らしを具体的にイメージしやすくなります。
最後に、注文住宅の間取りと家具配置について、よくある疑問を確認します。
家具がまだ決まっていない場合も、使い方やおおよそのサイズを考えておくことが重要です。
家具を実際に購入するのは、間取りが決まったあとでも問題ありません。
ただし、家具の種類や大きさ、配置は、間取りを確定する前に考えておく必要があります。
商品が決まっていない場合は、希望する家具に近い一般的なサイズを図面へ入れて確認しましょう。
持ち込む家具の幅、奥行き、高さを測り、図面へ正確に配置します。
扉や引き出しがある家具は、開けた状態で必要な空間も測りましょう。
家具の写真も一緒に確認すると、窓やスイッチとの干渉をイメージしやすくなります。
必要な広さは、ソファの大きさだけでは決まりません。
LDKの形、キッチンの配置、窓や建具の位置、ダイニングテーブルの大きさによって異なります。
帖数だけで判断せず、置きたい家具を実寸で配置して確認することが大切です。
家族の人数と部屋での過ごし方から、必要な家具を考えます。
例えば、家族全員でソファに座りたい場合は、人数に合ったソファの大きさを想定します。
ダイニングで仕事や勉強もする場合は、食事だけに使うテーブルより、少し大きなサイズが必要になる可能性があります。
商品ではなく、暮らし方から必要な家具を決めていきましょう。
注文住宅の間取りを考えるときは、部屋の帖数だけで判断してはいけません。
ソファやダイニングテーブル、テレビ、ベッドを実寸で配置し、人が通る空間や扉を開ける空間まで確認することが大切です。
家具の配置が決まると、窓や建具、コンセント、照明の適切な位置も具体的になります。
また、現在の生活だけでなく、子どもの成長や家族構成の変化を想定し、家具を移動できる余白を残しておくことも重要です。
間取り図を見るときは、何も置かれていない部屋ではなく、家具を置き、家族が動き、毎日を過ごしている状態を想像してみましょう。
家具から間取りを考えることで、見た目の美しさだけでなく、住み始めてからも使いやすい住まいに近づきます。
家づくりで最初に決めるべきなのは、床の色でも、キッチンの形でもありません。
どんな朝を迎えたいのか。
家族とどこで会話をしたいのか。
休日には何を楽しみたいのか。
理想の暮らしが見えてくると、必要な間取りや収納、家具、照明も少しずつ明確になります。
新築のインテリアコーディネートは、部屋をおしゃれに飾るためだけのものではありません。
ご家族様が心地よく過ごせる時間を整えることも、暮らし方のコーディネートです。
まだ具体的な間取りやデザインが決まっていなくても、実際の空間を見ることで、自分たちに合う広さや素材、暮らし方に気づくことがあります。
大工としてひたむきに走り続けていた26歳のある日、お客様の娘様から頂いた現場での一言、 「良い家を作ってくれてありがとう」その言葉に建築への想いが膨らんでいく気持ちに気づいた私は、 「家づくりの最初から最後まで、じっくりをお客様と対話して、一生のお付き合いがしたい」と感じ、SEISYOを立ち上げました。
大工としてひたむきに走り続けていた26歳のある日、お客様の娘様から頂いた現場での一言、 「良い家を作ってくれてありがとう」その言葉に建築への想いが膨らんでいく気持ちに気づいた私は、 「家づくりの最初から最後まで、じっくりをお客様と対話して、一生のお付き合いがしたい」と感じ、SEISYOを立ち上げました。